第6章 【R18】オルファクトフィリア(十四松)
松野さんの家の3軒先の可愛さんところの娘さん
と言ったら昔から赤塚に住んでる人は泣きべそかいて六つ子の後をついていく女の子を思い浮かべるだろう。
女の子は僅か7才程で、六つ子はその頃12才。
雨が降った次の日なんかはよく7人で泥んこ遊びをして
丸めて団子状にした泥の塊を雷親父の家に塀にぶつけては見つかり逃げるのが一連の流れ。
そして足の遅い女の子は泥だらけになった白いワンピースを翻して、
待って、置いてかないでと小さな足を動かして彼らの後をひたすら追いかけるのだ。
夕日をバックにして、彼らは言う。
「はやくしないと置いてくぞ」
それが幼い私の記憶。