第5章 【R18】スコプトラグニア (チョロ松,トド松)
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「気持ち良さそうに寝てるね」
夢花ちゃんの体をウェットティッシュで拭いて綺麗にしてから
服を着せ布団をかけてあげたタイミングで声をかけられ僕は頷く。
「そうだね、楽しい夢でも見てるのかな」
「夢かぁ、それに僕が出てたらいいなぁ」
そう言ったトド松の目にはスヤスヤと眠る夢花ちゃんの寝顔しか写っていなくて。
だけどその手にはしっかりと夢花ちゃんの書いた履歴書が持たれていた。
「…トド松、お前これから夢花ちゃんとどう接していくつもりだ?」
僕の問いにトド松は不思議そうな顔を浮かべる。
「別にいつも通りだけど?」
その言葉に僕は驚いた。
「いつも通りって…!こんなことした後なのに…」
「こんなことした後だからだよ
えっちした後に僕たちがよそよそしかったり
冷たかったりしたら夢花ちゃんだって困惑するでしょ?」
確かにその通りだ。
セックスした後に態度を変えるなんてクズな真似、僕もしたくない。
だけど…。
「気恥ずかしくはないの?」
「多少はね、でも僕は夢花ちゃんといつも通りでいたいから
変わりたくないんだ」
そう言ってトド松は持っていた夢花ちゃんの履歴書を破ってゴミ箱に投げ捨てた。
“変わりたくないんだ”
その言葉が頭の中でこだました。