第5章 【R18】スコプトラグニア (チョロ松,トド松)
とてもつい最近までランドセルを背負っていたとは思えない。
それくらい彼女の容姿は整っていた。
小学生の頃はやんちゃな僕たちと一緒にいた印象が強かったことからその容姿の良さに気付くものはいなかった。
が、中学では違った。
そのくらいの年になると恋愛に興味を持ち、周りの容姿に優劣を付けたがる人も出てくる。
容姿のいい子はクラスメイトから優しくされ、ちやほやされることが多い。
夢花ちゃんも優しくされる側の人間の様だった。
一回だけ通学路で楽しそうに友人と笑いながら歩く夢花ちゃんのことを見た記憶がある。
その時僕には夢花ちゃんが綺麗すぎて、一緒にいた子が霞んで見えた。
後日、夢花ちゃんの家で小学生の頃の卒業アルバムを見せてもらった。
ページの初めにあるクラス紹介の欄。
6年1組可愛夢花の表記の上に緊張してぎこちない笑顔を見せる夢花ちゃんの写真が載っていた。
その写真は他の子の誰よりも、一層輝いて見えた。
もしかしたら…いや、絶対、僕はその時から既に夢花ちゃんのことが好きだった。