第2章 【R18】エメトフィリア(一松)
「…はぁ?」
おそ松くんの言葉にまるで納得がいかない、と言った様子でトド松くんはおそ松くんに鋭い眼光をぶつけた。
そして早口でまくし立てる。
「じゃあ言わせてもらうけど、弟が風邪ひいた時財布勝手に盗ってパチンコ行くようなクズに褒めるとこあると思ってんの?
ないでしょ!」
それにおそ松くんはカチンときた様だった。
「なっ…!俺にだって良いとこあるし!
むしろ俺良心の塊だから!なっ、夢花」
「えっ?私…?」
半ば傍観者となっていた私はいきなり意見を求められ、少し戸惑った。
「えー、と…おそ松くんは明るい、よね!」
少し考え、無難な答えが導き出される。
だがしかし、おそ松くんは満足しなかった様だ。
「えー?明るいだけ?他にもあるだろ」
他にも…かぁ…。
これでもおそ松くん達とは長い付き合いになるけど
いざそう聞かれると中々出てこなかった。
「ちょっとわかんない…かも?てへ」
私は誤魔化すようにペロッと下を出す。
似合わないのは承知の上だ。
「ちぇっ、なんだよ…俺カリスマレジェンドなのにー
まぁ可愛いから許すけど」
そう言っておそ松くんはタバコを取り出して火を付けはじめた。
可愛い、と言われた気がするけど
きっとそれは妹とか、そういうものに向けるようなものなんだろうな。