第2章 ~壱~MEET
流魂街80地区 更木
東西南北の4つの地区からなるそこは、各区域80地区に別れ、地区の数が大きくなるほど治安が悪い
そんな所に1人の少女がいた
着物は破れ、体中土に塗れて性別も判断出来ないほどボロボロになった恰好
「隠れてないで出てこいやっっっ!!!」
刀や鎌を持った男達が探している
少女は今にも壊れそうな納屋に身を潜めて見つからないように願った
ギュッと体を丸めて気配を殺す
だが古ぼけた扉が大きな音と共に壊されると、うすら笑いを張り付けた男達が少女を見ていた
「もうかくれんぼは終わりにしようや...」
「い...いや.....」
少女は引きずられるように表に出されると、地面に叩きつけられた
「ぅ...うう...何で...」
「何で?何言ってやがる、そんなの楽しいからに決まってるだろうが...オマエ新入りみてえだから教えてやるよ、此処は殺しなんて日常茶飯事...血ィ見ねぇ日なんかねーんだよ!!!」
狂喜の眼差しを浮かべた男達がじりじりと歩みよってくる
「やだ....やめて...」
「いいねぇその表情...なぁに、すぐに殺しゃしねーよ、子供なんて久々の獲物だ、死なねぇ程度に可愛がってやるよ!!」
男が刀を振り上げる
少女は恐怖から、固く目を閉じ、顔を伏せた
その瞬間、耳障りな声が響く
そして切り裂くような音と共に温かいものが降り注いだ
匂いから血だとはっきり分かる
嗅いだ事のないようなツンとする臭い
自分は斬られたんだと思っていたが、痛みが一向にやってこない
「......?」
少女が恐る恐る目を開くと、目の前の光景に驚愕する
自分を斬ろうとした男だろうか、目の前に真っ二つになりひれ伏している
辺りには大量の血が飛び、さっきの温かい何かは血なんだと悟った