第1章 朝と彼女
長ったらしい説教がまさに始まろうとしてた所、ナイスタイミングで声がした。
友梨香はそれに敏感に反応して、ピタッと声が止まる。
すぐにドアが開いて、ま〜くんが顔を出す。
「おはよ、珍しく起きてると思ったら友梨香が来てたんだな。」
「ナイスタイミングま〜くん。」
俺が親指を立てると、なんだそら、と首を傾げる。
「ま、まーくんおはよ!」
「おう、なんだかご苦労様だな、友梨香。ていうか凛月お前、服ぐらい自分で着ろよな?」
部屋に入ってきて第一声、そこに触れなかったのが流石ま〜くんと言ったところか。
丁度寝間着のズボンを下ろされているところを見られて微塵の疑いも掛けられないのは誇らしい事と思っていいのかな。
「友梨香は女の子なんだから、あんまり変なことさせんなよー?」
「友梨香に変な事も何もないでしょー?ま〜くんやらしー。」
「お前なぁ…」
「い、いいよ!わたしはまーくんの負担が減らせるなら、それで良い、し。」
ちょっと、今しれっと負担とか失礼な事言ったよね?
悪態を吐こうと友梨香を睨めば、ま〜くんを前にした途端急に雰囲気変えちゃって、顔赤くしてるし。呆れて文句も言えない。