第1章 朝と彼女
「もういーよ、わかったわかった。じゃあさー友梨香が運んでよ。学校まで。」
「りーくんがいくらヒョロヒョロだからってそれは無理!わたしはまーくんみたいに甘くないって言ってるでしょ。」
「じゃあ運ぶのはま〜くんに任せるから、着替えさしてよ〜」
「子供じゃないんだからぁ…っていうか一応わたしよりお兄さんだよね?りーくん」
「いいからはやく〜時間ないんでしょ〜?」
「もー、誰の所為よーわたしだってこれから学校なんだからねー?」
渋々友梨香は俺の寝間着に手をかける。
カーテンの締め切った薄暗い部屋で、女の子に跨られながら服を脱がされるって、端から見たらいやらしい光景だよねえ、とぼんやりと考えていたけど、対して半裸の男を前にして友梨香はぶつくさ悪態を垂れながらシャツのボタンをかけてるし、全く気にもしてないみたい。
「ていうかねぇ、聞けばりーくん、まーくんにおんぶさして貰って登校してるみたいじゃない、まーくんは忙しいんだから余計な仕事増やしてあげないでよね?それにりーくんは…」
「おーい、凛月ー?起きてるかー?」