第1章 朝と彼女
「もー友梨香、行ったら?学校遅刻するよ?」
友梨香の手からスラックスを奪いとる。
「後はま〜くんが色々やってくれるから、もうお役御免〜。」
「なにそれえ、恩知らず!」
「頼んだ覚えもないけど。」
舌を出せば、友梨香は頬を膨らまして、背を向けた。
「あんまりまーくんに迷惑かけないでね!まーくんじゃあね!」
「おーう、気をつけてなー?」
俺にじゃあねは〜?なんて声は掛けないけど。
「ま〜くんを独り占めしていいのは俺だけだし〜?」
「何変な事言ってんだ、はやく支度しろよ?」
ま〜くんはそう言いながら、カーテンを開ける。
眩しい陽射しと共に、走り去るの友梨香背中が見えた。
あぁ〜くらくらする。
「やっぱもっかい寝たい…」