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第6章 ひとつ 吉太郎の語り ー焦げ白銀(しろがね)という雨垂れー



明日ァ若旦那ァ泣くだろう。
ひょっとしたら、他にも泣くヤツがいるかも知れねェ。

けど俺ァ承知してらア。

おひろはひとりきりじゃねェ。
ちゃーんと立派な死に水も取られたし、とっときン道連れと逝ったんだ。だから泣くこたァねェんだよ。それでどうでも涙ン止まらねェくれェ切ねェてんなら、俺が慰めてやりてェがそうもいかねェからなァ。

ひろよぅ。

焦ゲんヤツァ初めァ照れちまって、ぎこちねェかも知んねえ。俺と会ったときもそうだったからよ。
でもそれもチョンの間、すぐ親しくならァな。
なァに、十万億土にも空ァあるだろうし、風も吹くだろう。一緒に語って歩きゃいい。知り合うこたァ山ほどあンだろう。

若旦那にゃ悪いが、今回は雨垂れの勝ち。

ひろァ焦ゲと逝ったんだ。


諸事諸々、各々各核云々あろうとも、俺ァ迸らずにゃいられねェ。

快哉!
















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