With Live Planet _この星で生きる_
第12章 新しい暮らし
村に帰ると、入り口にはバァバとリュウが待っていた。
「花凛お姉ちゃんっ!!!」
私の姿を見るなり、飛びついてくる。
「ごめんね…リュウ」
「いなくなっちゃうかと思ったぁぁ」
リュウは泣きそうになってるが、私が「次に泣くのはスゥに何かあった時だよ」って言ったからか我慢している。
「花凛…お主、アマテラスで間違いないな?」
「はい、アマテラスです」
どうやら私がここに運ばれてきた時から気づいていたようだ。
「実はこういう事がありまして……」
私はアトリ村から帰ってから、今までの事を全て話した。
「だから花凛として生きようと思って逃げてきました」
思い出したくないこと思い出したからか、ひどく胸が痛い。
「花凛お姉ちゃん、泣かないで」
リュウが私の目元をティッシュで拭いてくれた。
こういう優しさが私はずっと欲しかった…。
「花凛よ、私が言ったことは覚えてるか?
近々、お前にとって良くないことが起こる。そうしたらお前は過去にとらわれるだろう。しかしそこから抜け出す為にはかなりの勇気と犠牲、我慢が必要だ。
孤独になるな。頼れ、誰かを。
助けろと口に出せ」
実際に私は過去に囚われて困っている。
なら、今ここで言うべき言葉は1つだろう。
「ースゥ、リュウ、バァバ。私を助けてくれますか?」
私がそう言うと3人とも頷いてくれた。
「お前がアマテラスだという事は村のみんなが知っている。
しかし、これ以上広げるつもりはない。
お前がここで暮らしてく上で隠しておくのは大変だと思ったからバラした。
口止めもしてあるから心配しなくて良いぞ」
私はバァバにお礼を言って、スゥたちの家に戻った。