With Live Planet _この星で生きる_
第12章 新しい暮らし
あんなに嫌いだ、と思ったアマテラスは
ちゃんと好かれてたんだ。
少なくともスゥとリュウはアマテラスのことを好きでいてくれたんだ。
そう思うと、嬉しくて涙が出てきた。
「目から血がっ!大丈夫ですか?」
「これ涙ですから…気にしないでください」
スゥは私に慌ててティッシュをくれた。
「血出てるのになんで笑ってるの⁉︎⁉︎」
心配そうな顔をしてリュウは私に聞いてくる。
「嬉しくて涙が出てるからだよ、リュウありがとう」
リュウは何が何だか分からないという顔をしていたが、褒められてることには気づいたようでドヤ顔をしていた。
それから約一週間が経ち、私の怪我はだいぶ良くなっていた。
朝、リュウを起こして朝ごはんの手伝いをする。
それからリュウと遊んだりお掃除をしたりして、平和な1日を過ごしていた。
でも、ここから出て行かなきゃな。
ずっと騙してるのもキツイし……。
「スゥ、短い間だったけどありがとう。
怪我も良くなったから、もう大丈夫だよ。…リュウもありがとうね」
ある日の朝、朝食時に切り出した。
「やっぱり出ていくのか…。なんか寂しくなるなぁ」
「うん、他人がいたら2人とも気使っちゃうでしょ」
スゥと話していたら、不意にリュウは声を出した。
「ーやだっ、出て行かないで!リュウ気使ってないもん!」
目に涙をいっぱい溜めて、私の服を引っ張ってきた。
「リュウ……花凛、どうしても出て行っちゃうのか?」
ついにはスゥまでも私にすがるような目で見てきた。