With Live Planet _この星で生きる_
第12章 新しい暮らし
「いいですよ」と私が言うと走り寄って、ベットの横にあった椅子に座る。
「木から落っこちたんですよね?
痛いですか?」
少し片言の敬語を使ってるリュウはとても可愛らしい。
大丈夫だ、と答えるとにっこり笑っていた。
「僕の名前はリュウです!お姉ちゃんの名前はなんですか?」
またしても知ってる事を教えられて、つい笑いがこみ上げてきた。
「花凛です、よろしくリュウ!」
そう言ってリュウと握手をしていたら、スゥが戻ってきた。
「リュウ!ダメだろ、入ったら!」
「花凛お姉ちゃんがいいって言ったもん!」
「花凛…?あ、あなたの名前か!」
スゥもちゃんと良いお兄ちゃんをしているみたいで、2人の会話してる様子はなんだか平和だ。
それから何歳ですか?とか聞かれたので名前と出身地以外は本当の事を答えておいた。
「同い年なのでタメ語で話しても?」
「わかった、タメ語で話す!」
と、前のようにタメ語で話せるようになったので変な違和感はなくなった。
それから膝の上にリュウを乗せて、彼が持っていた本を読み聞かせする。
「リュウ、すっかり花凛に懐いたな?」
「だって花凛お姉ちゃん、アマテラスさんみたいなんだもん」
突如、アマテラスという名前が出てきたのでヤバイと思った。
「でも髪の長さと目の色が違うだろ?」
そう言ったのはスゥだった。
なんで目の色…?黒じゃないの…?
私は壁にかかっている鏡を見ると、目が赤くなっていた。
涙のせいで、色素写ったのかな。
特に痛みもないし、ちゃんと目も見えてるから問題はないと思う。
「花凛お姉ちゃんはアマテラスさん知ってる?」
「…テレビでなら見たことあるよ。
アマテラスってどんな人なの?」
何かに期待して私はリュウに聞いた。
「アマテラスさんはね、とっても優しくてとっても強いんだよっ!!
僕と遊んでくれたし、お兄ちゃんのお手伝いもしてくれたし、悪者も倒しちゃったの!
でもね、かくれんぼは下手くそなのっ!
………花凛、お姉ちゃん?」
目をキラキラさせて、楽しそうに話すリュウを見てたら、涙が出てきた。