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With Live Planet _この星で生きる_

第12章 新しい暮らし


気づいた時には真っ暗で木々に囲まれた場所にいた。



久しぶりに来たアトリ村の入り口にあたる森は懐かしく思える。


少しだけ覗くと家々から漏れる淡いオレンジの光が綺麗だった。



あそこも私には似合わない…



そう思い、反対側に踏み出した途端荒らあたりが痛み出した。


さっきミカさんに蹴られた時にはどうやら何本か折れてしまったようだ。



今日だけは安静にしてようかな。



私は暗い森の奥の木に登り、そこで一夜を明けることにした。















顔に太陽の光が当たり、フッと目が覚めた。



目の前には木の天井、私は真っ白ベッドで寝ていた。



あれ、私木の上で寝てなかったっけ?



そう思いながら体を起こすと、自分がいる場所に見覚えがあった。



ここはスゥとリュウの家だ…



頭が締め付けられてる感じがしたので手をやると、包帯が巻かれていた。

他にも手や足にも包帯は巻かれている。




疑問だらけでいると、不意にドアが開いた。



「あ、起きましたか?自分の名前分かります?」



料理を持ってそう言ってきたのはスゥだった。


「私に何が起きたの?」


「今日の朝に、村の人が森に木を切りに行ったらあなたが落ちてきたみたいで…

あ、ここはアトリ村というところで俺の名前はスゥです」



すでに知っている名前を教えられたので、どうやらスゥは私に気づいてないみたいだ。



「そうですか…いっ…」


さらに体制を起こそうとすると体に痛みが走った。



「あ、無理をしないでください。
木から落ちた時に肋骨を骨折したみたいです。それと脳震盪も」



スゥは私を優しく支えてくれた。

でも肋骨は木から落ちた時に折れたのではないと思う。



「朝ごはん作ってきたので食べますか?お口に合うといいんですけど…」



そう言いながら私に料理を食べさせてくれた。


久しぶりに誰かに優しくしてもらったな…



前に食べたこの優しい味とこの優しい顔がとても懐かしく感じる。



しっかり味わって私はそれを食べ終えると、スゥが食器を下げに行った。



ベッドの上でボーッとしてると不意に可愛らしい声が聞こえる。



「入ってもいーですか?」


ドアの方を覗くと久しぶりに見たリュウがこちらを覗いていた。





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