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die Phasen des Mondes【ディアラヴァ】

第5章 episode.5


コンコン。


「私です。
マイです」


「どうぞ。入ってください」


ノックすると中から返事が聞こえた。
良かった、ここで合っていた。


教えて貰ったとは言え、部屋数が多いから少し不安だった。


まだ掃除でも入ったことのない部屋がレイジさんの部屋だった。


「失礼します」


部屋に入ると、読んでいた分厚い本を閉じて立ち上がった。


「そちらに掛けていてください。
お茶を淹れます」


「はい。すみません」


そうは答えたものの、カチャカチャと準備をする音がして落ち着かなくなる。


「あの…、何かお手伝い出来ることはありますか?」


「いえ、結構です」


申し出があっさりと断られてしまい、目線を泳がせると、沢山の本が見える。


頭が良さそうとは思っていたけれど、やっぱり難しそうな本ばかり並んでいる。


本の背表紙から重々しい雰囲気が漂っていて、眺めている分は素敵な空間だけどとても理解出来そうにないものだった。


隣に目をやると今度は沢山の食器が目に入った。


「わぁ〜…。
綺麗なお皿ばかりですね」


ガラス戸の向こうに、綺麗なお皿が沢山。
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