die Phasen des Mondes【ディアラヴァ】
第4章 episode.4
「…いや…。なんだ、悪い。
何でもねぇ。忘れてくれ」
迷っているとスバルくんに先に言われてしまう。
「ありがとう、スバルくん」
また、はぁ?という目をしてこちらを見たけど、チッと顔を赤くして目をそらされた。
本当に可愛いなぁ。
「ニヤニヤ笑ってんじゃねぇ、用が終わったならもう出てってくれ…。
…血が欲しくなんだろうが」
「あ、うん、ごめんね。
お邪魔しました」
最後の方は声が小さくて聞こえなかったけど、掃除用具をまとめて、部屋を後にする。
スバルくんは、いい子だって事が分かった。
それだけで救われたような気持ちになった。