die Phasen des Mondes【ディアラヴァ】
第4章 episode.4
兄弟は異母兄弟かぁ…。
訳ありなのかなとも思ったけれど、この大きなお屋敷とみんなの振る舞いを見ていると、どことなく上品さと我儘さを兼ね備えた感じで、もしかしたらどこか大きな家の子息なのかなとか想像したりする。
世界には一夫多妻の国王や大統領だって聞いたことがあるし。
今日は皆が学校へ行く前に、買い出しに行く事になった。
レイジさんから渡されたメモとお金を持って、まだこの辺の地理が分からないだろうからとアヤトくんを付き添いにしてくれた。
「ふぁ〜ぁ…。
何だってまた俺様が買い出し?とか行かなきゃなんねーんだ」
さっきから眠そうにブツブツと文句を言っている。
「しょうがないよ…。
みんな忙しいみたいなんだし。
私まだこの辺の事わからないから、よろしくお願いします。
早く終わらせて帰ろう?」
「ったく、俺様だって忙しいっての!」
アヤトくんについて歩いていると、やがてお店が目に入るようになった。
「あ!
アヤトくん、ここのお店ちょっと寄ってもいい?」
「はぁ?!
おま、今さっさと終わらせて…とか言ってたじゃねーか。
あっ!オイ」