die Phasen des Mondes【ディアラヴァ】
第24章 episode.24
「おや、それは、もっと吸って欲しいと言う意味ですか?」
先程コウモリにやられた時吸い出した血の量を考えれば、これ以上吸うのは彼女の身体に響く。
ただ、彼女の身体が、血が、元通りになったか確かめておきたかった。
「…!!いえ…!
そう言う意味じゃ無いんですけど…」
「やれやれ…。
これは罰だとお伝えしたはずですよ?
それをもっと吸って欲しいだとは……はしたない。
まぁ、貴女が私からの罰ならいくらでも受けると心得ている事は分かりました」
一瞬、彼女の表情がホッとしたようなものに変わった。
「ですので……まだ続けます」
「そ、そんな……!
こ、これ以上は…私耐えられそうになくて…。
は、離してくださいっ…」
私の腕の中でじたばたと動き始めたが、何の意味も無いと気付いていないんでしょうか。
「うるさいですね…。
静かになさい…」
「やっ……っんーーー」
唇を塞ぐと文字通り彼女は言葉を発せられなくなった。
口内に残る血の味を混ぜながら舌が触れ合う。
始めはもがいていた彼女も、抵抗する力を無くしたのか私の口付けを大人しく受け入れた。
彼女も感じているだろう、この血の味を。
人間である貴女がそれをどう受け止めているかは、分かりませんが。
私はもっとこの味を味わっていたいのは山々なのですが……今日はもう吸いはしません。
ただ、傷の処置だと称して貴女の肌を弄ぶ事はやめませんから…。