die Phasen des Mondes【ディアラヴァ】
第22章 episode.22
言われた通りにレイジさんの方を見上げると、その瞳が私をとらえた。
「その表情…とても魅力的ですよ…。
私だけに見せていなさい…」
「ん…」
優しい口付けが角度を変えて何度も私の呼吸を奪う。
舌が触れると少し血の味がして、けれどすぐに溶けて行くみたいに柔らかく深い口付けになっていった。
「立っているのがやっとなんですね?」
力が入らなくなっている私を見兼ねて、レイジさんは私を抱き上げた。
ふわふわと心地よく、その腕に身を任せていると、ベッドの上に横たえられ、先程の首筋の噛み跡を舌が撫でていく。
「…ふっ。
溢れてきています…。
もっと…私に寄越しなさい…」
もう、何も考えられそうにない。
与えられる痛みと幸福感に支配されるがまま、その牙に全てを預けた。