• テキストサイズ

die Phasen des Mondes【ディアラヴァ】

第22章 episode.22


「…レイジさん?」


一旦寝室も覗いてみたけれど、まだ戻って居ないみたいだ。


部屋に戻り、椅子に腰掛けてクランベリージュースに口を付ける。


「ふう…」


とても静かな室内。


今頃、屋敷はどうなっているのかな…。


「………」


じっと座っていると、色々と考えてしまいそうで、振り切るように立ち上がった。


「…お掃除でもしてよう」


分厚いカーテンを指でそっとめくり、窓の外を覗いてみる。
あれ…何だか今日は、少しだけ空が明るく見える。


「わっ…!」


ふと見上げてみると、格子付きの窓の上には黒い塊が多数ぶら下がっていた。


「もしかして…?」


一瞬とても驚いたけれど、パタパタと羽を動かすその中に、なんとなく見覚えのある姿があった。


窓を少し開けて招き入れると、隙間からスッと入り込んであの日のように肩に降りて来た。


「やっぱりそうだ。
ふふ、元気にしてるんだね」


屋敷を逃げ出した時に守ってくれた、レイジさんの使い魔。
ふわふわのお腹を指で撫でた。


「この数は…見張りの為…?かな」


その思いに報いる為、余計な事はしないでおこうと、すぐに窓を閉めてカーテンを引いた。
/ 316ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp