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die Phasen des Mondes【ディアラヴァ】

第21章 episode.21


面倒な事態は、立て続けに起こったりするものだ。


この世では多くの者がそれぞれの意志を持ち生きていて、あらゆる思惑のまま行動を起こす。


そしてそれはそう簡単に他者が押しとどめる事は出来ない。


人間界へ戻ることが出来なくなった私達は、ひとまず城内へと引き返す。


コツコツと二人分の足音だけが響き、これからどこへ向かえば良いのか宛もないまま部屋へと入った。


彼女は不安そうな顔をしているものの、取り乱す事は無かった。


…ミルクティーでも淹れて差し上げますか。


「さ、そこに掛けて下さい。
今後について考えますので、貴女は私の邪魔にならないように…、ほらそこの、図鑑でも見ていて下さい」


「はい」


返ってきた普段通りの声色に安堵して、お茶の準備を始める。


またすぐにこちらへ来るかもしれないと、新しい茶葉を用意させておいて良かった。


水を火にかけ、沸騰するのを待つ。


これからどうすべきか…。


本の続きも手に出来ず、そもそも試そうとしていた方法はその内容を応用したもの。


それは、人間界の月を使った儀式…。


戻ることが出来なくなった今となっては、どうしようもない。
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