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die Phasen des Mondes【ディアラヴァ】

第19章 episode.19


左のうなじに牙が沈むのを感じる。


「ん…っ!」


こ…の…感覚は…。


痺れるような熱く甘い感覚が左側から広がってくる。


昨日とは…全然違う…。


そのうなじに沈められた牙に意識が集中してしまう。


レイジさんは喉を鳴らしている。
私の血が今その喉を通っているんだと実感する程に。


「…っ。…っふふ…。
今日は頭を使ったせいでしょうか…より美味しく…癒されるような…」


「…っはぁっ…っ…」


「もうそんなに肩で息をして…。
まだまだ始まったばかりですよ?
容易くお仕置きを受けるだなんて言った貴女が悪い」


「そ、そんな意味じゃなくてっ…!
明日は今日以上に本探しを手伝うとか…そう言う意味で…」


弁明する私を気にする事なくベッドに押し倒した。


「そう言う事でしたら…ちょうど良いではないですか。
その血で私を癒しなさい。
明日の作業を捗らせる為にもね…」


手のひらを押さえられて指を絡めながら耳にキスが落ちてくる。


「…っひゃっ」


「ククク…」


レイジさんは私の反応を楽しんでいるように笑う。


どんな言葉でお仕置きされるのだろうと身構えた私の耳には


「可愛いですね…」


と言う囁きが不意打ちで与えられた。


羽織っていた上着が肩まではだけさせられても、寒さを感じなかった。


「さぁ…もっと私を温めてくださいね…?」


レイジさんがキスする度、吸血する度にまだ少し濡れている髪が私の肌をくすぐる。


その度に私は自分の身体が熱くなっていくのを感じた。
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