die Phasen des Mondes【ディアラヴァ】
第18章 episode.18
「……?
もう…眠ったのですか」
目を閉じると直ぐに深い呼吸に変わった彼女を見届ける。
私が傍にいる必要があったのか、と思える程速く眠りに落ちた顔を見て少し笑みがこぼれてしまう。
貴女のこの髪に、手には、もう触れられないのでは…触れてはならないのでは、と思っていた。
それが、今またこうして触れていられる。
貴女の本心…ここに居たいと言ってくれた…。
この私の前で安心しきった顔で眠るなんて…。
本当に不思議なひと、ですね。
握っていた手をそっとブランケットの中に戻した。
朝までまだ時間はある。
しかし、最近眠れていなかったせいか私にも眠気が襲ってくる。
私も、ホッとした…と言う事でしょうね…。
しかし、事態が解決した訳ではない。
これからどうするのか考えなくては。
覚醒を止める方法など、本当にあるのだろうか?
窓際へ寄ると細い月が沈みかけている。
今は満月へ向かっている時…。