die Phasen des Mondes【ディアラヴァ】
第14章 episode.14
いつもより少し早く目覚めた。
最近では見慣れた部屋の中の光景が、変わらない日常を表しているようで、頭がぼんやりする。
でも、その日常も今日まで。
この手で、抜け出して行かなければならない。
やるべき事が沢山あるし、こうしてはいられない。
起きだすとカーテンを開ける。
どんよりとした灰色の雲が空を覆い、太陽の光を遮っていた。
手首のアクアマリンに触れると、変わらずそこにある。
お天気…悪くなりそう。
どうやら、買っておくべきものがまた増えたみたい。
まだ降らないうちにと、すぐに準備して出掛けた。
—時は無情だ。
数時間はすぐに過ぎ、もう登校時間になってしまった。
普段どおり、皆が出掛けて行くのを玄関ホールで見送る。
「はぁ〜あ、かったりーな…」
「お姉ちゃん、行ってきまーす」
「うん。
行ってらっしゃい」
皆の背中にお礼を言う。
ありがとう。
色々あったけれど、楽しかった…。
ユイの事をよろしくお願いします。