第4章 合宿
『…あと1週間か』
松川「早いな」
昼休み、松川と2人でボンヤリと教室にあるカレンダーを見ていた。
合宿まで残り1週間、うちの合宿はぎっしりで忙しい。
今年でそれが最後になるのかと考えると楽なような辛いような…
女「坂本さん、溝口先生が呼んでる」
『なんだろ、ちょいと行ってくるね』
松川「何かやらかした?」
なわけあるか。
と笑いながら教室を出れば、溝口さんは私の顔を見るなり一枚の紙を渡してきた。
『溝口さん…どうかしました?』
溝口「坂本、プリント確認終わったから印刷してみんなに配ってくれ。あと、今は部活じゃねえからな、先生な」
『スミマセンデシター。ありがとうございます!って事は練習試合依頼してた学校は全部大丈夫って事ですか?』
溝口「あぁ、ただし急に却下される事もあるからな、そこら辺は俺が見ておくけど…じゃ、よろしく頼むぞ」
『はい』
紙を見れば私の時の他に赤ペンで修正がある。
そこを直してから印刷かな。
教室に戻り、松川の前に座って白紙に写していく。
松川「お前の字って女のコらしいよな」
『いや女の子なんですけど』
松川「くせ字というか、丸字?」
『松川はちっちゃいよね綺麗なのにね』
そーかー?と不思議そうに私の字を見ている松川。
合宿内容見せて。と言われるのでハイっと紙を渡した。
松川「ゲッ…今年もきつそうだな」
『そう?2年前よりマシじゃん?』
松川「あれはキツかった」
『…あ、溝口さん字間違ってる』
松川「溝口くんの字ジワるよな」