第3章 王様と私
『…ごめん、徹』
岩泉「悪いな、邪魔して」
及川「酷いよ!!!なんで俺だけ!?」
他校生だった。
わかるのはそれだけで、徹は片方の頬を、赤く腫らして半泣きだ。
いけないのはハジメちゃんであって、私じゃない。
『冷やす?氷持ってこようか』
今は及川家に居座っている。
もう10時だが仕方ない、徹がマジ泣きするよりましだ。
ハジメちゃんは笑っているが、徹はあの子良かったのに…とまだボヤいていて、私は階段を下りて氷枕を持っていった。
岩泉「お前それでかすぎだろ」
及川「いいもん、これでもう寝る!」
『寝るの?』
岩泉「…俺もねみいから寝るわ」
及川「出てってください〜」
『…私も眠い』
岩泉「少し寝てから帰るか」
『うん、賛成』
及川「え"!?じゃあちょっと脱いで!!俺の服かすから!!!聖ちゃんこれはいて!上これね!」
岩泉「んどくせえ」
及川「俺のベットなんですけど!!」
ベットに寝っ転がる徹の上にハジメちゃん(着替えてない)が乗り、私はトイレで服を着替えてから、ベッドに寄っかかる。
目を閉じようとすれば、徹が私の手を取りベットに入れてくれた。
『変なとこ触んないでよ!!!徹!!』
及川「いでっ…ケチ」
岩泉「うるせえ寝ろ」
『11時前には帰る…』
岩泉「わかったわかった寝ろ」
ポンポンと背中を撫でられ、私は目を閉じる。
狭いベットに高校生が三人寝るのか。
懐かしいな…と思いながら、ウトウトしていた。
及川「…ん…」
岩泉「グゥ…」
『…え?』
徹の部屋でアラームが鳴る。
私はショボショボしてる目をこすり時間を確認した。
『ち、遅刻…!?!?!?』
岩泉「いでっ」
及川「ングッ」
『ちょっと起きて!!!朝練!早く!私家帰るから!!!今日の部活遅れていくから!!!!』
徹とハジメちゃんを叩き起し、私は部屋を出た。
遅刻してでも風呂に入りたい!!!!!
及川家から二人の雄叫びが朝から響くのにそんなに時間はかからなかった