第3章 王様と私
放課後。
徹は病院へ行った。
監督は呆れながらも仕方なく正セッターのいない最高のメンツで試合をさせるらしい。
早めに準備を初めていて正解だった。
体育館を走る私はビブスとドリンクのかごを重ねていた。
一年も練習に入っているので一人でやるしかない。
『えっと、ドリンクOK…ビブスはあと配るだけ…あと…』
岩泉「聖」
『何?どうかした?』
急にハジメちゃんに声を掛けられ、私は持っていたものを床において振り返る。
岩泉「監督が烏野を案内しろって」
『迷うのかな?』
岩泉「おもてなしだろ」
『なるほど』
私はビブスを配る前に案内をしに行こうとすれば、パシッと手を掴まれた。
ハジメちゃんの方を振り返れば、口を尖らせながら一言。
岩泉「…影山いるからな」
『?だから…なに?』
岩泉「んでもねえよボケ早く行け」
パッと話された手首が熱を持っていた。
少し顔を赤くしたハジメちゃんを見ていれば、再び早く行けッッッッッと言われた。
理不尽だよ。
外に出てあたりを見渡す。
そこに、懐かしい景色が見えた。
金田一と矢巾、そして相変わらず頭の丸く、顔が怖い影山飛雄の姿が見える。
揉め事だろうか、坊主の人に何かを言われていて、私は慌ててその場に走った。
『コラッ!!!!金田一!矢巾!!!!なにしてんの』
金田一 矢巾「「いでっ!」」
後ろから頭を叩いて、烏野らしき人たちに頭を下げた。
それからあっちのチームにも保護者が現れて、あっちが撤収し出す。
『ちょっと、他校に喧嘩ふっかけないの!!!』
金田一「す、すいません…」
矢巾「ッス…」
二人を早く行かせ、私は走って烏野のあとを追った。
方向違う!
そっちじゃない!!!!