第9章 おそ松のおでん
「おそ松くん…仕事ちゃんと探してる?」
「え?」
やば。
仕事の話になると、とにかく主ちゃんはうるさいんだよ。
まぁ、心配してんのは分かるけどさ…。
「探してるけど、んなすぐ見つかんねーって!それに、パチンコはスッちゃったけど、昨日競馬で当てたから金には困ってねーし」
「今日はパチンコ昨日は競馬。それのどこが仕事探してるの?」
「へ!?」
なんか、目がコワい。主ちゃんのこんな顔初めて見た…。
「もうイヤッ!!今日は帰って!!一人にして!」
ソファーのクッションが飛んできて、俺の顔面にクリーンヒットする。
「うぶっ!?な、なんだよぉ!怒んなって!ちゃんと探すからっ!なっ?」
「知らないっ!そんなに養ってもらいたいなら他の女見つけてよ!この、ギャンブル依存の自堕落変態ニートッ!!!!」
「いいとこ一つもなくないっ!?」
主ちゃんにクッションを手渡すと、顔を埋め消え入りそうな声で呟いた。
「…もう、帰って…」
「………わかったよ」
合鍵をテーブルに投げ置くと、カチャンと鋭い音が響く。
冷たい金属音に驚き、肩をビクリと上げる主ちゃん。
「来なきゃいーんだろ。じゃあな!」
そう吐き捨てて、俺は主ちゃんの顔を見ることなくそのまま家を出た。
・・・