第9章 おそ松のおでん
フラフラと千鳥足で主ちゃんの家を目指す。
急に押しかけて、ますます怒らせないだろうか。
んで、家に上げてすらくれなかったらどうすっかな。
俺は口笛を吹きながら、口論になった二週間前の出来事を頭に思い浮かべていた。
あの日…
・・・
俺はパチンコでスってご機嫌ナナメだった。
気を取り直そうと昼間からビールを飲んだけど、イマイチイライラが収まらない。
ムシャクシャした日は主ちゃんの顔を見て癒されたい。っつーかヤりたい。
(夜会いに行く約束だったけど…早めに行ってもいいよな。だって俺、彼氏だしぃ?)
そう思い、まだ夕方だったけど、主ちゃんに会いに行くことにした。
合鍵を使って部屋に入れば、ソファーから寝息が聞こえてきた。
半袖ノーブラ、ショートパンツの無防備な部屋着で寝ている主ちゃん…。
たまらなくなって思いっきり抱きしめた。
「主ちゃん〜!!」
「ん…あ、あれ?何で…いるの?ってお酒くさいっ!!昼間から飲んできたの!?」
「そうなのー。パチンコでスッちゃって、俺たまらなく傷ついてんの〜。ねーねー俺の事癒してよー!」
主ちゃんにキスをしようと顔を近づけるとスッとかわされ、抱きしめている俺の手を振りほどき立ち上がった。