第16章 痴漢ごっこ カラ松
とりあえず胸から手は離したが、肝心の下半身は密着したままだ。
背後からだと表情が見えないので、反射する窓ごしに見ると、切なげな表情の主がそこにはいた。
(主…なぜ、そんなに目を潤ませている?苦しいのか?)
またカーブに差し掛かり、車内が揺れると、主の腰がピクッと動く。
——その時、オレは全てを理解した。
主の腰があたることにより、生理現象で硬くなっていたオレの下半身に気づき、動揺を隠せないでいたのだ。
やめろ…
やめてくれ…
そんな表情を見せられたら…
我慢…出来ないっ!!!
……い、いや、待つんだオレ…。
オレはもしかしたら、とんでもない思い違いをしているんじゃないのか!?
鈍感なオレは、主からのラブサインを見逃していただけで…
主が腰を密着させて来ているのは…
求愛行動!!??
(フッ、オレとしたことが…!)
オレはわざと自身を主に押し付けた。
(ここで可愛がって欲しかったのか…気付いてやれず、すまなかったマイハニー…!!だが、難易度が高いぞ!!)
他の乗客にバレないよう、じわりじわりと手をスカートの中に潜り込ませた。