第13章 チョロ松の台本 愛のむきだし編
オシャレなBGMが流れる店内。楽しそうに談笑する周りのお客さん達。
賑やかな空間で、わたし達は場違いな重たい空気に包まれていた。
「わたしの気持ちも…ちゃんと見てよ…一人で勝手に決めつけないで…」
その一言で、チョロ松くんは目を見開いた。
「わたしは、そのままのチョロ松くんが好きだよ…!カッコいいとか悪いとか関係ないっ!いや、確かにずっと無職のままでいて欲しいとは…思わないけれど…」
「で、でも…」
「ニコニコしながら長いおしゃべり付き合ってくれたり、手をつなぐだけで今でも顔を真っ赤にしていたり…チョロ松くんは、いつもわたしの心をあっためてくれて…。だから…」
涙を拭いながら深呼吸する。
「これからも…ずっと、一緒にいたいよ…!隣で…応援させて…」
「…主ちゃん」
わたしの言葉を聞くや否や、チョロ松くんの頬が一気に紅潮する。
「……そ、それってつまり…」
と、突然手をキュッと強く握られた。
「どうした…の?」
「僕と…結婚してくれるってこと…!?」
「け、けっこん!?」
とりあえずは仲直り出来て良かったけれど、なぜか彼の頭の中では、話がものすごく飛躍していた…。
・・・