第12章 楽しい楽しい林間合宿
そして、そこは途端に地獄と化した。ガタガタと震える田口と一緒に、私は虫がうぞうぞといる洞穴へと入れられてから、数十分が経った。
「きゃぁぁぁぁぁぁ」
田口が女子のような声をあげる隣で、私は胡座をかく。虫はあまり経験して来なかったなぁ。
「ひぃぃぃ!! な、な、なんでそんなに平然としてられるのぉぉ!?」
…まぁ、普通に虫くらいいる劣悪な環境で育ったもので…なーんて言えないので、私は微笑んだ。
「虫取りが好きな幼なじみが2人もいたからね」
「……す、凄いね…僕には絶対無理きゃぁぁぁ!!」
虫が飛ぶ音がすると、途端に叫び、私に抱きつく田口。私はそんな彼の背をポンポンと叩く。
「なんでいきなり飛ぶのぉ!?」
もうオカマ口調になるくらいは、切羽詰まっているようだ。私は彼に謝った。
「ごめん。今の私」
「もう!!やめてよ、馬鹿ぁ!!!!」