第12章 楽しい楽しい林間合宿
翌日、合宿二日目。 AM5:30
「おはよう諸君」
寝癖たっぷりなみんなと整列する。常闇くんは朝には強いようで、1人普段と様子は変わらなかった。早朝なのに普段と変わらず気だるげな口調の相澤先生が強化合宿の旨を説明する。…別に朝とかが弱くて、気だるげとかではないのか。思わず苦笑してしまう。
いつものように見本とされる爆豪が、入学式当日の体力テストで使用された遠投ボールを投げ渡す。
投げろ、という言葉に従い、早朝から元気なくたばれという物騒ワードを叫ぶ爆。派手な爆発がし、飛んでいったボールが消えてから、しばらくたち相澤先生が持つ機械が計測結果を教える音を鳴らす。
結果、709.6m。
…入学式からあまり変わらない数値。皆、驚きからざわめいた。
「約三ヶ月間、様々な経験を経て確かに君らは成長している。だがそれはあくまでも精神面や技術面、あとは多少の体力的な成長がメインで“個性”そのものは今見た通りでそこまで成長していない。だから──今日から君らの“個性”を伸ばす。死ぬ程キツいがくれぐれも…死なないように──…」
相澤先生の久々に見るその顔に、私達は嫌でも肌で感じ取った。
雄英高校というものの厳しさを。