第12章 楽しい楽しい林間合宿
PM4:00。日も落ちかけた頃私達は洞穴から出ることを許された。
「し…死ぬかと…思ったわよ…!!」
私は号泣する彼を慰める。もうすっかりオカマ口調が板についてきたようだ。
「さァ昨日言ったね『世話を焼くのは今日だけ』って!」
「己で食う飯くらい己でつくれ!カレー!」
食材の前でラグドールとピクシーボブに、イエッサ、と返すクラスメイトに覇気はない。そりゃあ早朝から特訓をしているのだから、全身ブッチブチは免れないのわたしたち。その中でも、私はまだ余力を残していた。
「カ、レー!! 甘口、中辛、激辛、どれを選んでも美味しい、カレェ!! ヘイ!!」
唯一ラグドールのテンションについていける私に、皆怪訝そうな目を向けた。
「…え、なんであいつだけ元気なんだ?おい、田口」
「…ずっとあんな調子だったよ…むしろ僕より量はえぐかったはずなんだけどね……」
「あいつ、とうとうおかしくなっちまったか?」
ヒソヒソ声で話すクラスメートたちに、私は満面の笑みを浮かべた。まっ、単純に先生の時の方がえぐかったと言うだけの話。
「犬猫山。お前は明日から別メニューな」
「げっ!!!!」