第12章 楽しい楽しい林間合宿
そして、PM5:20。
カラスが鳴き、遊んでいた子供が帰る時刻だ。ようやく木々の切れ間から建造物が見えてきて、疲労した足は止めることを許される。にわかに沸き立つA組、しかし歓声を挙げる元気は誰にも残っていなかった。
「とりあえず、お昼は抜くまでもなかったわねぇ」
待っていたマンダレイとピクシーボブにプロジョークをかまされつつ、真っ先に魔獣に突っ込んだ4人は褒められ、唾を付けられる。
「だけど、そこの君!! だぁれの個性が古びた土くれだってぇぇ??? ちゃんと聞こえてるんですけどぉ??」
先程の発言を気にしているピクシーボブにキッと睨まれ、私はサッと顔を逸らす。…ん?いや待てよ。私、そんな古びたとか言ってないよね?ね!?
「…犬猫山夜蝶。とりあえず謝っとけ」
しかし、同意を求めるも、切島は顔すら合わしてくれなかった。