第12章 楽しい楽しい林間合宿
「え、待って!! 俺めちゃめちゃファンなんだけど!! サイン!! サイン頂戴!」
「実物の方が可愛くね? ちょ、マジで写真撮らして!!」
周りは途端に人だかりができ、私達は取り囲まれてしまう。
「え、え、え!! どどどどうしよ…!?」
アワアワする三奈ちゃん。私は苦笑いを浮かべながら、
「すみません。私達はまだプロではありませんので、学校からそういう行動は禁止されていまして……」
「じゃ、じゃあ!! 握手!! 握手だけでも!!」
わぁ、鬱陶しい。そろそろ個性を出そうかと思ったとき、
「きゃー!! 人気アイドルの…くんが、プライベート出来てるらしいわよ!!」
突然、ドーッと押し寄せてくる人波に、私達は飲まれていった。
「えー、なになになに? てふてふちゃぁぁぁんんん」
「え、ちょ…三奈ちゃん!?」
私と三奈ちゃんは人混みの中ではぐれてしまい、私は頑張って人波が薄れている隅っこの方へと何とか脱出できた。
「……いったぁ…足踏まれたし…。ってか、これあんたの仕業でしょ…死柄木」