第32章 EP黛3 なんで・・・・・・
保健室に着くと、何故かまゆまゆが先生に説明してくれた。
おかげで休むことができるのは良かったのだが。
「なんであんなことになった?」
割と真面目な表情でそう尋ねられた。
まぁ、聞いていたのかもしれないし隠してもしょうがない。と僕は事の顛末を話す。
やはり、驚く感じはない。
ただ、征十郎があそこまでするのは予想外だったみたいだ。
「赤司。このままだと停学か退学かもな。」
僕はその言葉を聞いてハッとした。
正直ヤンデレ好きなら今のくらいは想定内だったし、あのタイミングでまゆまゆが来ると思ってなくて騒動になってしまったが。
「それは困るね。」
主将だし。と苦笑いで答えれば、
「なんで抵抗しなかった。」
とまた真剣な表情で尋ねられた。
「なんでと言われても・・・・・・」
まゆまゆにヤンデレが好きだから、と言っても理解はしてもらえないだろうし。
ってか、まゆまゆも微ヤンデレだし。
このゲームでは。
「ホントはアイツが好きだったのか?」
「は?」
なんとも見当違いのことを聞かれて、僕は間抜けな声を出していた。
「違うのか。」
「話。聞いてたんだよね?」
他に好きな人が居るって答えてたはずなんだけど、だから首絞められてたわけだし。
「途中からだけどな」
「なら・・・・・・」
と答えようとして
「俺もお前のこと嫌いじゃないけどな」
まゆまゆが呟くように言った言葉に固まった。
「それって・・・・・・告白?」
流石にまさかね。と思い茶化すように答えた。
かなりぼそっと言ってる感じだったし、こんなムードのない場所で告白するとは思えなかったから。
「なんでもない。」
真っ赤になりながら、プイってそっぽ向かれてしまった。
僕はどうしたらいいんだろうか。
聞かなかったフリをすればいいのか、独り言のように返事をすればいいのか。