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この灯火が消えるまで。【黒子のバスケ】

第6章 不幸の予兆


9月に入り、校庭に生い茂っている木々は緑からカラフルな色へ変わる準備が始まった。

私はいつものように校庭を眺めながら授業を受ける。

そういえば、今日は病院に行かなければならない日ではなかっただろうか。
私は担任に見つからないように、そっと机から手帳を取り出し、スケジュールを確認する。
手帳にはしっかりと病院と書き込まれていた。

今日は部活は休もう。バレてしまってはダメだ。
唯一、何も気にせずに彼らと過ごせる時間を潰すのは惜しいが、この体では仕方がない。

私は溜息をついて、また窓の外を眺めるのであった。


_キーンコーンカーンコーン
チャイムが鳴り、退屈な授業の終わりを告げた。
「遥、今日は一段とつまらなそうだったね。」
征君が微笑している。
「別に成績は悪くないんだし問題ないでしょ?」
「あぁ、問題ないさ。緑間同様学年順位は2位だからね。」
緑間って言ってるという事は私が好きな方の彼だ。
「あ、征君。今日は部活休ませてもらうね?急用が入っちゃってさ。」
征君は急用を深く問わずに了承してくれた。
いつまでも彼がこのままであればいいのにと思ったのは生涯、絶対に言わない。
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