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白いカーネーション

第1章 ◎出会い


波の音で目が覚めると
外は朝日が昇り始めていた。


枕に顔をうずくめて
手探りで携帯を探す。


電源をつけて
完全に開いてない瞼を
限界まで開けて携帯に目を向けると
一件のメッセージが届いていた。


「まことちゃん…。」



〝5時にて海集合!〟



時計を見ると
針は4時30分を指していた。



少し早いけど
居心地の悪い家を
早く出たい一心で


少し肌寒い海へと足を進めた。



「パーカー、持ってこればよかった。」



両腕を摩り
あたりを見渡すと
人影のようなものが見えた。



「まことちゃん?」



まだ早いんだけどな。
そう思いながら
その人影に近づいて行った。


「あれ、違う。」


まことちゃんじゃない。
いつも見慣れたセミロングではなく
マッシュルームのような髪型で
何より背が全く違う。



「何やってるんだろう…。」


そう思ったとき
その人は足元を見つめながら
海の中へ入って行った。


嘘。
でも、海に服のまま
しかも歩いてはいって行くなんて。


頭にあの二文字が浮かんで
慌てて飛びついた。



「え、あっ、うわっ!」


勢いよく飛びついたため
長身の彼はバランスを崩し
後ろに倒れてしまった。



「早まってはいけません!
 あなたはまだまだ若いです!」


テレビかなんかのセリフを
永遠と言い続ける。
これしか思いつかなくて。


そうしてると
私の姿をキョトンと見ていた彼は
ニコリと微笑んだ。


「ありがとう。
 でも、そう言うつもりで
 入ってたわけじゃなくて…。」


私は唖然とした。


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