藤ヶ谷先生、大好きですよ?3ーThirdSerieSー
第3章 ♡Story50♡ 転校生は不良生徒
「俺のこと、覚えてる?」
「......え?」
「......まだ小2の時に転校しちまったから、覚えるわけねぇよな......
それに俺、こんなんになっちまったし......」
「......音ノ宮、小学校に通ってたの?」
音ノ宮小学校とは私や陸に玲、私達が6年間通っていた小学校......
九条君は、音ノ宮小出身なの......?
「......あぁ。
俺らは、小1、2って同じ2組だった......」
1年2組、2年2組......これは私が当時所属していたクラス.......。
「っ九条和馬君......どっかで聞いたことある名前だなって思った
違和感の原因はこれだったんだね......ごめん、
でもうまく思い出せないよ......」
「っ無理も、ねぇよ......いきなり驚かせて悪い......」
和真は顔を歪めつつ、切なそうな表情を見せた......
「っううん!
じゃあ、陸のことも覚えてるの?」
「あぁ、基本お前と一緒にいたから......よく覚えてる......」
「っ帰ったらアルバム確認しみるよ!
そこに、九条君もいるんでしょ?」
「......あぁ。
でもすぐに、思い出せねぇよ......だって俺、餓鬼の頃すげぇ弱虫だったから......」
「弱虫?
私には、そうは見えないけど......」
「今はこんなんだからだよ.....でも昔は、
お前によく助けてもらってた......
お前のことは、ずっと覚えてる。だから、
お前が芸能人になったって知った時はすげぇびっくりした......」
「っ九条君......」
九条君はこの9年、ずっと私のことを覚えていてくれてたの?
でも私は......
すっかり忘れている......九条君に、
申し訳ない気持ちでいっぱいだよ......私は今でも、
ちゃんと思い出せない......
私が九条君をよく助けていたってどういこと?
全く思い出せない......
「......。」
「......。」
ふたりの間には長い沈黙ができた......。