• テキストサイズ

糖分過剰摂取症候群【銀魂】

第13章 危


「本当、俺もお前も……甘え下手な」


誰かに頼ることが、弱さだと。
誰かに縋ることが、狡さだと。

言われたわけでも、あるまいし。

単純に。
その方法を知らないだけで。

それを委ねるための。
相手も、いなかっただけで。

女だてらに刀振り回してりゃ。

強い女を演じることが。
板に付いちまうかも、しれねェな。

まだ、若ェのに。

自分を支えるのも精一杯だろうに。
仲間の背中守るために。

重い拳銃携えて。

むさ苦しい男所帯で。
自分より腕の立つ女を。

庇ってくれる奴ばかりじゃないだろうに。





俺が物思いに更ける間も。
盛大に泣く朱里ちゃんは。
見ていて清々しいくらいの泣きっぷりで。
最初は髪を撫でてあやしてみたが。
どうにもこうにも、止まる様子がない。

「あーもー、そんな泣くなって……」

どういう構造で、その雫が製造されるのかって思う程。
止めどなく涙を落とす。
俺は手探りでティッシュペーパーを掴んで。

「一回、鼻かめ。チーンって、な?」

俺が欲しいと。
あんな台詞吐いた後で、この色気の無さ。
涙拭ってやる方が先と言われれば、その通りだが。
俺も大概、意地が悪い。
鼻にティッシュペーパー充てて。
鼻かませて。
その残害を、ゴミ箱に放り投げて。

「ギュッてしてやるから、そろそろ泣き止め」

俺は布団の上に腰を下ろして。
左右の腕と脚の間に、朱里ちゃんを閉じ込めた。
/ 249ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp