第8章 再
一昨日、言われた通り。
僕と神楽ちゃんは、万事屋に出向く。
「新八…銀ちゃん、大丈夫アルか?」
大丈夫って何?
それを僕に聞かないでよォォォ!
「最近、銀ちゃん元気なかったから、心配ネ」
まぁ、そうだね。
銀さんらしく、なかったよね。
「朱里とニャンニャンして、仲良くなってればいいアルな」
ちょっとォォォ?
「誰に教わったんだ、それ」
銀さんか?
「ヅラが言ってたアル」
桂さんかァァァ!
ヒロインに何を教えてんだ。
あの世代はどいつもこいつも、あんな?
でも、神楽ちゃんのお蔭で、足取りが軽くなった。
本当にニャンニャンしてたら困るけど。
………してたらどうしよう。
そのために、昨日は来るなって?
そのために、僕と神楽ちゃんを遠ざけた?
布団を譲ることから、普通、そうなる?
悪いこと、起きちゃってるゥゥゥ?
「オイ、ぱっつぁん」
名前を呼ばれて、我に帰る。
「段差、気をつけろよ」
顔を上げると、銀さんが居た。
その横に、朱里さんと神楽ちゃん。
「呆けてると、怪我すんぞ」
銀さんは、二日前の別れ際が嘘みたいな顔で。
僕を見て笑った。
通い慣れた場所に、僕は無意識の内に歩いて来ていて。
もう、万事屋の前だったんだ。
「こんにちは、新八さん」
ペコリと頭を下げた朱里さん。
「こ、こんにちは」
慌てて頭を下げてから、感じる違和感。
おずおずと視線を上げると。
その黒い服…銀さんの服じゃないかァァァ!