第26章 告
銀ちゃん、幸せアルか?
今、すごく安心した顔してるヨ?
本当は、そういう顔もするアルな。
見てたら、私も幸せネ。
『お付き合い』って、どんな?
私と新八と定春、ここに居てもいいアルか?
銀ちゃん、本当は優しいから。
「邪魔」って絶対言わないネ。
「神楽ちゃんは、賛成?」
やかんに水を入れながら、新八が口を開く。
まだ動揺してるのか、コンロの火が点かない。
「賛成も反対もないネ。銀ちゃんが決めたことアルからな」
だって、新八。
私もお前も。
ずっと、ここには居られないネ。
もっと大人になったら、きっと別々の道を進む。
そのときに、銀ちゃんが居ても居なくても。
ずっと一緒じゃない。
「……僕は正直、驚いてる。あの銀さんが、僕らの前で……あんなにあっさり、」
「……私たちだから、アル。私と新八と定春にだから、ちゃんと言ってくれたネ」
「うん……そうだね」
「そうヨ」
「神楽ちゃんの方が……女の子の方が、大人だね」
「チェリーは堅くて駄目アルな」
新八と、顔を見合わせて笑う。
このあと、銀ちゃんから洗いざらいの馴れ初めを聞いて。
お祝いと称して、ご馳走を食べようと。
夜は、散々邪魔して眠るつもりで。
私たちは、お盆に四つの湯飲みを乗せた。
「買っておいて、正解だったね」
「そうアルな」
二人で選んだ湯呑み。
あのときから、私たちは感じてた。
どんな形であれ、#NAME1#との縁が続くって。
それが『お付き合い』って形になった。
そういうことでしょう、銀ちゃん?