第24章 呼
目が覚めると、心地好い重み。
服着たままの俺に被さるように、朱里ちゃんが寝てる。
その上に、俺の着物被って。
何、寒かった?
しっかり腰を抱いてる俺の手もアレだけど。
……何で全裸?
新手の嫌がらせ?
触れる手には素肌の感触。
スベスベで羨ましいわ。
若さ故?
銀さんだって、ピチピチの頃があったんだけど。
朱里ちゃんには、敵わないわ。
開いた胸元に吹きかかる息。
天井の鏡に映る素足見ただけで。
心拍数が上がる。
これ以上困らせて、どうすんの?
「あのー、朱里ちゃん?」
どんだけ風呂場で遊んで、こうなった?
まだ、髪が湿ってる。
「ん………」
胸に頬を擦り寄せて、そのまま安定した寝息が聞こえる。
腰を抱いた手の、正しい置き場を思案する。
抱き枕の頃みてェに、身動ぎせずに。
ただ、天井に映った互いを眺めた。
「下は恥ずかしいわ、コレ」
自分の表情から、相手の動きまで視界に入る。
普段は見えないモノが見えるんだから。
普通は行為の最中、自分の表情なんて。
そうそう見れないし。
「………」
そう考えたら、際限なく妄想が膨らんで。
どの体位で攻めるか。
そのとき、どんな声で啼くのか。
続きを、どう誘われるか。
……ヤベェ、コレ。
中二の夏通り越して。
鼻血出ちゃいそうだけど。