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糖分過剰摂取症候群【銀魂】

第21章 煩


『銀さん 特製オムライス』

付け合わせに、温野菜のサラダとスープ。
デザートは、プリン。
向かい合って座って、手を合わせてから。
オムライスを、心底美味そうに食べる顔を眺める。
そんなに喜んで貰えると、昨日食わせてやれなかったことが悔やまれた。

「幸せ」

今、満面の笑みだけど。
テーブルに皿を置いたときの反応。
結構、冷めてたよね。
オムライスの上に、ハートマーク描いたのに。
さらっとスルーしなかった?
何事も無かったように、食べたけどさ。
ちょっと俺、傷ついたわ。

「坂田さんの、愛情の……味?」

「愛情、たくさん詰まってんね」

「だから……こんなに美味しいのかな」

「そりゃ、朱里ちゃんのためだけに、作ったんだから」

そんな顔してくれるなら。
銀さん、毎晩夕飯作るわ。
俺の方が、時間あるし。
料理、嫌いじゃないし。
朱里ちゃんになら、いいかなって。
こんな尽くす俺も、アリかなって。
神楽には『キモい』と言われそうだが。
そういう単純な幸せも、良いと思うわけ。

「帰ってきたら、また作ってやるよ」

俺の言葉に。

「ハートマーク、描いてくれますか?」

さらっとスルーしたくせに。
確かめるみたいに、不安げな顔して。
そんなこと言うから。
俺は無言で立ち上がって。
冷蔵庫から、ケチャップを持ってきて。
食べかけのオムライスを囲うように。
皿一杯に線でハートを描いてやる。



「銀さんの気持ちを、皿の上に表現しました」

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