第20章 姿
「明日の午後、顔出せ……ああ、神楽も連れて………明日、話すから……何も問題ねェよ。じゃーな」
受話器を置いて、溜息をひとつ吐く。
明日の午後と言ったはいいが。
「さて、どーやって説明するか……」
あのとき、新八は『銀さん次第』と言った。
救うも救わないも、俺に委せると言われたようで。
結果がこうなったってだけで。
責められるようなこと、してねェんだけど。
あいつらも気に入ってる朱里ちゃんを。
銀さん独り占めってことに。
納得、するかねェ?
「坂田、さん」
顎に手を添えて、思案していると。
部屋の入口から、遠慮がちに呼ばれる。
「ん?」
「あの、ズボンも、貸して…ください」
「アレ?なかった?」
「上しか、なかった、です」
俺の服、ミニのワンピースみたいに着て。
ギリギリの丈、下に引っ張って。
下は気にするのに、上が疎かって。
「あーもー、ちゃんと隠しなさい」
前にも注意したよ?
今日は二人きりだから、許すけど。
俺以外の男に。
そんな簡単に見せちゃ駄目だからね。
「あんだけしても、足りねェんだから」
紅い印が残る胸を隠すように、留め具を掛けて。
「もうちっと、危機感持ってね」
朱里ちゃんが思ってるより。
その躰、魅力的だと思うよ?