第14章 諦
声、抑えんなよ。
可愛い啼き声、聞きてェから。
乱れた息ですら。
俺を煽る一因になって。
塞いでしまうのを、躊躇わせる。
俺みてェな『ケダモノ』に。
今更『待て』は通用しない。
朱里ちゃんが、俺を『欲しい』と言ったんだ。
従順な『ケモノ』とは違うってこと。
その躯で覚えとけ。
発情期の『ケモノ』だって。
雌が目の前にいれば。
本能のまま、腰振るから。
銀さんだって、雄だから。
本能のままに、したいけど。
ギリギリの理性。
保ってんだからな。
女のコにとって。
『ハジメテ』って。
大事だろ?
だからこそ。
焦らすみてェに。
朱里ちゃんが『欲しい』って。
全身全霊で、伝えてるんだけど。