第8章 おまけ②~Moonlight Lovers~
廊下に出ると、
ルイが窓から月を見上げていた。
月明かりに照らされたルイは美しい。
(やっぱりルイって綺麗だな…)
そのときぽつりと聞こえてきたのは…
「マユのところに行こうか…」
ルイの声…
「え?」
「あ、アヤセ…
荷物大丈夫?行こうか。」
「う、うん…
あのっ…ちょっと待って…」
「え?」
「今…マユって…」
「えっ俺その名前言ってた?」
少しだけ顔を赤らめながら
ルイは口許を片手で覆った。
無意識で発した名前。
「うん…あっ…
も、もしかして…恋人とか…!?」
「…まぁね…」
恥ずかしそうにルイは小さく返した。
「そっか!そっか!ふふふっ」
「何?」
「なんか嬉しい。」
ニコニコとしながらアヤセは答える。
「何それ。」
照れながらルイは返した。
「俺だって男だし…
あんなことした後だし…ね。」
「そうだよね。ふふっ。」
「だから何?」
「ほんとに何にもなくて、
単純に嬉しい。
親しい人に愛する人がいて。」
一瞬驚くも、ルイはフッと微笑む。
きっと、だから、
この子がプリンセスに選ばれたんだろうな、
と思いながら。