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【100プリ】瞳に映して

第5章 教えて…


私が見たかったのはシドの過去ではない。

ルイのときもそうだったけど、

私は思い出に気持ちを馳せているときの
その瞳が見たかったのかもしれない。

ルイのときは過去のシドを知るその瞳に
少し嫉妬をして…

人の過去はわからないけれど、
その過去がどんなものだったのかは
その思い出を話す瞳を見れば
すぐにわかる。


シドの今の瞳はとても美しい。


「なぁ。」

「え?」

「お前の昔の話も今度聞かせろよ。」

「うん、もちろん!」

「そうだな…
ジルに長めの休みとってもらって、
お前の国にでも行って…」

「…!行こう!」

思わず声が大きくなってしまい、
慌てて口を押さえる。

「旅行ってことだよね…!?」

小声でシドに返す。

「まぁそんなとこだな。」

嬉しくて思わず笑みがこぼれる。


(ああ…そっか…)


過去を見つめるシドの瞳が好き。
でもそれよりも大事なのは
二人で紡いでいくこれからの未来。

いつか二人とも歳をとって
おじいちゃんおばあちゃんになったとき、
二人で同じ瞳で思い出話ができたら…

それは一番の幸せなのかもしれない。

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