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プリズム◇黒子のバスケ夢小説

第9章 海常高校


「…ん?何ユニフォーム着とるんだ?黄瀬、お前は出さんぞ!」
「え?」
「各中学のエース級がごろごろいる海常の中でも、お前は格が違うんだ。」
「ちょっ、監督そーいう言い方マジやめて欲しいっス。」
「黄瀬抜きのレギュラーの相手も務まらんかもしれんのに…出したら試合にもならなくなってしまうよ。」

あらあら。
えらくあの駄犬は監督に過大評価されてるんだね。
友人が特別視されると嬉しいもんなんだろうけど…

ぶっちゃけ、今のは真澄さん、頭にきちゃいましてよ?

だって、えらく誠凜ナメてない?
何、その格下扱い。
初出場にも関わらず、1年だけでI,Hの都予選決勝リーグまで成績残してる先輩達に失礼すぎやしないか?
さっきの挨拶といい…
監督が生徒で女だから馬鹿にしてんの?

え…、何、私のリコ先輩を貶めてんの?

『よし。誠凜代表で、あの狸を仕留めてきます。』

「Σちょ、真澄っち物騒すぎっス!!ιベンチには俺入ってるから、大丈夫っスよ!?ι」

『…黄瀬、コレはそう言う問題じゃないんだ。』

「どーゆー問題スか!?その、思考ズレてない?ズレまくって無いスか?」

『狸の態度が気に入らない。』

「ΣΣ否定出来ないくらい大きく的を得てるっスね!!けど、だからって、射殺すように殺気だして睨むのはヤメたあげて!?ι」

黄瀬は視界を遮るように前に立つと、私の両肩を掴んだ。

「誠凜さんの気分を害して本当、申し訳無いっス。けど、ここは俺に免じて堪えて欲しいっス!今、ゴネたら試合が無くなるかもしれない…そうなるとそっちも困るっスよね?」

確かに。せっかくリコ先輩が頭下げて取り次いだ試合相手。ここまで来て試合が無くなるのは、誠凜にとってもよろしくない。

「あの人、ギャフンと言わせてくれれば、多分、俺出してもらえるし!…俺がワガママ言ってもいいスけど……、」

『…いいけど、何?』

「──俺を引きずり出す事もできないようじゃ、“キセキの世代”倒すとか言う資格もないし、ね。」

カッチーン。

私は肩に置かれたままになっていた黄瀬の手を叩き落とすと、黒子君と火神君の手を取り出口へと向かった。

「アップはしといて下さい。出番“待つ”とか無いんで…」

『悪いけど、誠凜(うち)は“調整”とかそーゆーの無理だから…』

「『そんな余裕はすぐ無くなると思いますよ。』」
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