第3章 ヴァリアーでの初任務
その後も、さっきの人みたいに寄ってくる男の人が多くいた。
「若いね…お酒は飲める?」
「どこのファミリーの子?」
「もう婚約者はいるのかな…?
だったら僕のことも頭の中に入れて欲しいんだけど…」
「このあたりに夜景が綺麗なホテルがあるんだ。一緒にどうだい?」
一人一人丁寧に返事をして、その人達から逃げた。
(…ファン・ビートさんはどこなの…!?)
泣きそうになりながらそう考えた。
「お飲み物はいかがですか?」
…今度はなんだ。
そう思ったが笑顔をつくり、後ろを振り向いた。
『いえ、結構で…す…って…あれ!?』
「どうかなさいましたか?」
私の目の前でニコニコ笑っているウェイターさんには見覚えがある。
『フ、フラン…?』
小声でそう言った。
「当たりでーす。」
棒読みの答えが帰ってきた。
フランだ。
『ぜ、全然違う…!!か、カエルは!?』
「そんなの被っていたらウェイターの仕事どころじゃありませんよー。」
いつもの頭のカエルがないから、エメラルドグリーンの髪色に目がいく。そして隊服ではなくて本物のウェイターさんの服。
『か、かっこいい…』
「ナンパされまくりのに言われたら自信つきますね~。」
『見てたなら助けてよ!!』
「そんなの怪しすぎるじゃないですか。」
『そうだけど〜…』
「まぁ魅力があるってことですよ。きっとハルカックファミリーのボスも引っかかるんじゃないですかー?」
『だと良いなぁ…』
「噂をしたら…ほら、御本人登場です。」
フランがそう言ったので、彼の視線の先をたどると写真の男の人がいた。
「、ちゃっちゃと片付けちゃってくださーい。」
『が、頑張る…』
私がそう言うと、フランは少し笑って、またウェイターになりきっていた。